Star Wars Recommendation page-2

この部屋では torch さんの作品のみをご紹介します。

Left Undone

クワイの一人称。私が今まで読んだ中で一番痛い、クワイのAngst。20kbくらいで超短いのにめちゃめちゃ悲しいです。つか涙も出ない。淡々としている分、痛い。

舞台はTPMのあの最後のクワイのシーン、あそこです。メディテーションしている時のクワイ。自分は負けるだろうな、と判っている。後ろにいるオビの焦りと不安、自分の前にいる死すの怒りと憎しみ、両方とも感じていて、そして『自分はついにジェダイとしての冷静さを手に入れなかったな』と考えている。自分の力の原動力はパッションだった。情熱的な愛だった。それをパダワンに伝えたことはなかったが、というもの。この二人はプラトニックだったんですね。痛。いたたたた・・・

死に際のクワイのせりふが泣かす。

Now that he will have to dance alone.

嗚呼。

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Whispers, remains

これもAngst.暗いです。クワイは死んでるし、アナキンはダークサイドに堕ちてるし、ジェダイは最後の戦いに出る間際だし。

ジェダイを率いて戦っているオビ。一応いるけど愛してない(涙)恋人を置いてテントを出るオビ。翌日の決死の戦いを前に、瞑想して過ごそうかと思う。丸太に腰を下ろして空を見上げると、星もほとんど見えない・・・(涙)

ヨーダがやってきて、「彼が恋しいのじゃろう?」と聞く。オビが答えないと、「わしもじゃよ。」

一体誰が悪かったのかとか、もう言い尽くしてしまって、言葉すくなに会話した後、テントに戻るオビ。最後の夜になるんだから・・と恋人とぬくもりを分かち合おうと一緒の寝袋にもぐりこみ・・・と、それが驚きなことになんか別のものがいる。つかこの感覚はクワイじゃないのか?!と仰天するオビ。でも恋人は気がつかないわけ。わけがわからないけどクワイの幻の体にすがりつくオビ。これが夢ならば醒めたくはないと願う。絶頂に達した後の滑落感は、クワイが去っていく感覚は、自分の一部が死ぬのと同じだった、いや死んでしまいたかった、とゆー・・・。ううううう。

クワイ亡き後のオビの暗さでいえばこれがいちばんではないでしょうか。もうなんつーか凹みます。短い話はTorchさんのはみんな痛いんだよ。

そのほかに「short of going」というのもあります。もしあなたがAngst好きならこれも痛いのなんの。アナキンがダークサイドに堕ちた後、シミに会いに行くオビの話ですが、これは要約不能の典型ですね。最後の一行、I love you both.のリフレインは・・・シミの膝に顔をうずめて「すみません、すみません、」といって泣きじゃくるオビが見たい、という方は・・・もうこれはちょっとなぜ君がダークサイドにおちなかったんだね?というレベルに痛いです。うう、アスピリンをくれ〜。

Crysterlize

ほうぼうでリコメンドされているので読んだ人も多いでしょう。ほとんど哲学。つーか文化人類学?

雪に閉ざされた惑星で、REMという高等生物の冬眠期間、かれらを守護するのがジェダイのお仕事。まあ暇な仕事なわけです。せわしなかった自分たちのミッションのインターバルに、弟子との絆も深められるし、ゆっくり勉強もできるし・・とアプリケーションを出したクワイは惑星REMにやってきます。そこでクワイはREMの神話を読むのです。これが第一のメタファー
REMは子供を生む数が少なく、そのために子供を宝物のように育てます。しかし神話には、神へのいけにえとして子供を丸焼きにする、という物語がある。クワイは不思議になる、なんでこのREMという種族にそんな神話が生まれるのだろう?

そして第二のメタファーとして、彼が解いているパズルがあります。REMに伝わるクリスタルのピースでできたパズルで、フォースに感応します。「まだ問われていない問いに対する答え」をあらわすというもので、作る人の状況・環境・思考・フォースによって、完成形が異なる、というすぐれもの。クワイはずーっとそれに取り組んでいる。自分が何を作っているのかは判らないんだけど、とにかくフォースの動くままにピースをはめるし、はまらなければ諦める、ということを繰り返す。
ところで一方のオビは、付き合っていた恋人にホールのど真ん中で「あんたは冷血動物よ!」と罵られたあげくに皿の中身をぶちまけられ、ジェダイオーダーの噂の的になっていた。だからこのREMのミッションは、ほとぼりを冷ますいいミッションでもあったわけ。で、REMにきてもあまり喋らない。クワイは心配してはいるけど、あまりパダワンのプライバシーに踏み込むのも・・・と思って躊躇して、まあ二人は淡々と毎日雪かきして冬眠装置の保全点検をしてサウナでのんびりする。という生活を送っていたわけです。

さて眠くなるようなこの進行状況が変わるのが、実はこの機械が壊れたところから始まります。外に建設されている気温センサーの柱の一本が壊れていて、そのせいでREMの眠る地下洞窟の気温が急激に上昇するということになった。このままいったらREMは死んでしまう。
クワイは地下のメイン・コンピュータへ走り、オビは外のセンサーを修理しに飛び出していきます。この連係プレーでREMは滅びずにすむのですが、しかしその帰り道、オビは巨大な白熊みたいな生物に襲われる。絆を通じてオビの苦境は感知するんだけど、クワイはどうしてもコンピュータのプログラミングを終えてからでないと救出に駆けつけることが出来ない。すげえ速さで仕事をするんですが、それでも一時間はかかった。
その間にオビが怪我をしたりとかしてるのも感じてるんだけど、でもクワイはオビを見捨て
わけです。

で、全部終わって再稼動してから雪の中に飛び出していって、やっとよろよろしながら歩いてるオビを迎えに行く。「歩けますから!」と主張するオビを抱いて連れ帰って治療して、ベッドに眠るのを見届けて、そんで点々と床に落ちた血痕を拭き取りながら、REMの神話の意味に気がつくわけです。

そうか、宇宙の摂理には自分が自分自身よりも重要なものを生け贄に差し出さねばならないときがあるのだな、と。まあREMの自然環境の厳しさでしょうか。それが神話を通じて教えられていると思うわけ。で、さらにオビが寝ている間、パズルをやるんだけど、それがついに完成する。してみると――――なんとオビの顔なわけです。ライトセーバーをもって、戦っているときの顔。唇をきっと引き結んで、集中してるときの彼です。そしてクリスタルはまた空中で分解してばらばらのピースに戻って床にぶちまけられる・・・

なぜオビ=ワンなのか?クワイは混乱します。自分は一体どんな「尋ねていない問い」をもってこのパズルに向かったのか?一体オビ=ワンはなんの質問に対する答えなんだろうか?

で、クワイが思いつくのは、オビ=ワンの恋愛について聞いていたとき、オビは「どの恋人も自分の態度が冷たい、と僕を非難しました。でもジェダイは恋より義務を優先させねばなりません。彼女らにはそれが判らなかったのでしょう」といっていたことを思い出す。そんで、あ、オビが言っていたのはこのことかな、と思うわけ。で、確かにジェダイっていうのは、息子同然に愛するパダワンすらも見捨てねばならないときがある。パズルがオビ=ワンを見せたのはそれを師匠の自分に教えるためなんだろうか・・・?

でもクワイはまだ判らない。だって自分もそれは重々承知なわけだから(だからオビをある意味で見捨てたわけだし)。うーん、と重いながらも、さて翌日、オビが元気になった朝、怪我にもいいし、とサウナに二人で入ります。そんでなんとなく、自分の後ろに寝そべるオビ=ワンを振り返ってみたとき。(お約束)

卒然と悟るんですねー。「聞かれなかった問に対する答え」とは、「聞きたくないと思っている問に対する答え」だったんだ。そして自分はオビ=ワンを愛している、つー事実です。(遅いんだよ!!)
でももちろんパダワンにそんなことをいえる筈がない。そもそも師弟の関係で許されることではないし、それに第一オビが自分をそんな目で見てくれる可能性があるだろうか?
でもいまさら悟ってしまったことを「悟ってないんだ!」とはいえないのがジェダイ・マスターの辛さ。オビ=ワンにはいえないけれど(今のところは)しかし「互いに秘密を持たないこと」が一番大事だと口をすっぱくして教えているクワイ、黙っているのはオビ=ワンへの、また自らの信念への裏切りでもある。

退屈とさえ見えたミッションが、とんでもない事実を突きつけてくれたものだ、というクワイの静かな焦りと、それからオビの、マスターのことが好きなんだが一歩踏み出せない状態が、非常に丁寧に描き出されて終わります。

面白いです。つーか深い。面白かった。翌朝、雪かきの仕事に出て行ったとき、太陽の光に照らされたオビを見て思うクワイの最後の一言。

It was a beautiful day.

クールです。

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Gardening at night

これもほうぼうでリコメンドされています。

Torchさんが書く話は壮大というか、自然のリズムを感じるものが多いのですが、これもその一つ。森の惑星に出かけた二人、対立を調停して明日は調印日、という時に、反対派が夜中に爆破テロを起こします。駆けつけてみると宮殿の象徴でありまた市民の水がめであるSpring Gate(水門)に爆薬が仕掛けられていた。オビはクワイの指示で武装蜂起した反対派を鎮圧に森の中で戦い、クワイは水門が決壊して街中が洪水に呑まれるのを阻止するために二手に別れて働くことに。

さて首尾よくオビが逃げた武装蜂起グループを捕らえて帰ってきたら、クワイが地面に手を突っ込んで、リビング・フォースと直結して水門を直している。この水門、実は樹で出来ていたんですね。おおうすげえ!そんでもって汗を吹き出させながらフォースを操り、数千年かけて育った水門をわずか一晩で復活させるクワイ。すごい!すごすぎる!誰だお前は!

おかげで助かった女王に「あなたはガーデナーです。」とこの惑星では最高の誉め言葉をいただく。つまりが「生命を育てるもの」つーことですかな。

さてそれで与えられた部屋(これがまた巨木の根の中というか、うろの中というか、LOTRの森みたいな感じですね。壁も全部生きている樹です)に帰ってくると――――バレバレなわけです、クワイのテンションがあがりっぱなしだつーことが。一気にフォースで揺すられた木々が、そのフォースを乱反射して、それがクワイに流れ込み、クワイはそれを放出したいんだけど放出できない。要するに「たまってる」状態(笑)んでオビは、「手伝ってあげましょう」と下心で(つか赤裸々になんだが)近づくと、クワイは「いやいやいやいや」みたいな感じで最初はためらいますが、それはそれ、スラッシュですから。

しかしこの二人がエネルギーを放出したあとが凄い。部屋中の木々が緑葉を茂らせ、花は咲き乱れ、部屋はまるで常夏のジャングル状態。ベッドに転がる二人の、シンクロしている木と緑のエネルギーに満たされて、「女王はマスターをよく判ってますね、あなたは本当にGardenerだ」とオビがからかうので話が終わります。

いや〜、にしてもすごいセックスですね!生命を育てる二人だよ!(結論がそれかい・・・)いやでも非常にそういうシーンも美しく、というか、なんつーかな。ああ、生命を生み育てるセックスっつーのはこーゆーんだろーなーと思ったですね。Torchさんの話は上手いんだけど、論理的なんだよ。それがすごく現れている作品です。Angstでない珍しい作品です。

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Meet another

海外スラッシュフィクションには「奴隷もの」というジャンルがあるのですが、この話は珍しく、(そして名作に入るだろう)、クワイが奴隷の立場です。かなりAU。

オビは結局クワイのパダワンにはなれず、他のマスターに育てられてちゃんとナイトになっている。で、タオゥイーンのジャバの宮殿に、「交渉がある」と呼ばれてやってきます。暇な数日を過ごしながら、「交渉ってのはなんやねん」とうだうだしていると、そこにジャバが「退屈でしょうからお楽しみ用の奴隷を貸しましょう」といって連れ出されたのがなんとクワイ。

実はクワイガン、7年前に完全に消息を絶っていた。ジェダイ・テンプルも大騒ぎして捜索していたんだけど、しかし杳として所在不明のままだったわけです。オビにしても、13歳でクワイに会って別れたのを最後に見ていない。それがジャバの宮殿で、しかも性奴隷として使われている。髪も白くなっているし汚れたズボンしか着ていないし、肌もいつ風呂に入ったんだというような汚れぶりなんですが、しかしクワイの顔を彼が忘れるはずがない。しかし首に巻かれた鎖のせいでフォースは一切使えない状態になっていた。ジャバは言います、「数日後の交渉で自分のために働いてくれたら、お前にこの奴隷をやろう」。
さてここから話はガンガンでかくなります。二人きりになったらクワイガン、意外な事を言い出す。「この星に『選ばれし子』を発見した。その子供とその母親と一緒でなければ私はこの星から離れない。」オビは一人助けるのだって大変なのに、何を言ってるんだと頭に来たりもするのですが、しかしクワイの言うことに半信半疑ながら従い、シミとアナキンを発見する。確かにフォースは強い。けれどヴィジョンを持つわけです、この子は危険だ、ダークサイドの影がある、というわけ。

その一方、クワイ解放の条件として、禁じての八百長をやってくれというジャバの申し出があったが、なんとこの交渉相手がザナトスだってんだから、これはもう話がでかいわけです。そんで実はクワイが消息を絶ったのも、ザナトスを追っていて逆に捕らえられたというのが理由だった。(情けない・・・)

前に事情があってクワイをジャバの宮殿において去らねばならなかったザナトス、やってきたのもクワイを連れ帰るのと、ジャバのシマにオフワールドの支店を建てることを認めさせるのが目的だった。ジャバはザナトス相手じゃ勝てないから、ボディガードにジェダイを(クワイを餌に)置いておきたかっただけだったわけ。ところがザナトスはアナキンを発見していた。この子をダークサイドに連れて行けば・・・と、アナキンを奪うことまで画策するザナトス。さあ大変だ!

そしてジャバの宮殿でのザナトスとオビの戦いのさなか、アナキンは、オビには触るのも不可能な(それを首からぶら下げているクワイは本当に化け物だが)フォース無力化の鎖を力づくで引っこ抜き、切ります。血まみれになりながらも自由を取り戻すクワイ。クワイとオビでは勝てないと、アナキンを捕まえて逃げるザナトス。追いかけるのはいったん諦め、クワイはジャバに埋め込まれたトランスミッターを解除させます。(ここらへんはかっこいい)これで本当に完全に自由になったクワイ、オビと一緒に賭けポッドレースに出場させられるアナキンを引きとめ、コルサントに帰るべく町へ飛び・・・とまあ、アクションとスリルに満ち満ちたお話ですので、長いですが面白いですぜ。

スラッシュがないと嫌なんですという人も、ちゃんとあります・・・でもわたしは硬いオビとリビング・フォースの塊みたいなクワイの会話とかがすげえセクシーか思いましたが。なんつかですね、プロフェッショナルズって会話がセクシーだと思いません?スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンのさ、「爆薬はここにこういうふうに仕掛けて、この起爆線を二本埋め込め。そんでスイッチを押す。ドン。わかったか?」「判った」みたいな会話ってさ、お互いを信じてるぜバディ!みたいな、そういうんじゃないと出来ないと思うんですわ。

まさにこのクワイとオビはそれで、お互い監視の目を誤魔化すために、カメラあるの判っててセックスしなくちゃならないんだけど(でもやってて「うーん、クワイはうまいなあ」とか関心してるオビとか笑えた)そういうシーンよりか、働いてる二人がすげーセクシーでした。仕事のできる男は好きさ!

あ、ちなみにこの騒動の中でアナキンは(おそらく)ポッドレースで木っ端微塵に吹き飛び、シミは「私は息子が帰ってくると信じているからこの星を離れません!」と言い張るので、結局コルサントにはオビとクワイの二人だけで帰ることになります。最初よそよそしかったオビが帰りの船の中でクワイに心を開き始めるシーンで終わりますが、ほのかに漂うスラッシィな香りが未来を暗示させて素敵です。

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The entirely beautiful

短いけどいい話。珍しく痛みのないRomance!です。

クワイがどっかの惑星でダンスしていて、その相手役の皇女さまだかなんだかにベッドに誘われる。けどクワイは、「ああ、それはだめです。私には生涯のパートナーがいるので」と断る。皇女は「まあごめんなさい、ジェダイにも結婚してる人がいるなんて知らなかったわ」といって、それは誰?と聞くので、クワイは同じ舞踏会会場にいるオビを愛しそうに見つめるわけです。

そしたら皇女が「あら・・・まあ・・・でも、どうして?彼はだってあんなに・・・醜いのに!と言うわけ。

つーのもなんでかゆーと、何年も前のミッションで、火事場から子供を両腕に抱えて脱出するとき、オビが顔に火傷を負っているらしいんだな、この話では。でもクワイはびっくりするわけ。「なんでオビが醜いんだろう?あんなに美しいのに」と不思議に思う、というもの。いや〜本物の愛はこれだぜ!って見せ付けてますね。

タイトルは「永久に美しく」。ごっちそうさまでした。わずか7キロバイトの傑作です。

 

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