◆Books  独断と偏見に満ちたマイ・フェイバリット推薦図書   

*recent update 20040401

『イスラエルの人々』『贅沢な戦争−イスラエルのレバノン虐殺−』アモス・オズ
ベングリオン大学教授で、「ピース・ナウ」運動の主唱者。イスラエルに暮らす反戦・平和主義者として執筆活動を続けている。イスラエルにも狂ってない人はいるんだと希望が持てる。私にとっては「夜と霧」に並ぶ傑作。

『パレスチナ』広河隆
ひと昔前までは、「パレスチナ人=テロリスト」だったそうですね。私は「パレスチナ人=イスラエルに苛められているアラブ人難民」だという教育しか受けてこなかった世代なので、この本のインパクトはそういう意味では無かったのですが、それでもいかにシャロン現首相が極悪非道な政治家で、現在の紛争拡大に多大の責任を負っているかはよく判ります。こーゆー奴を選挙で選ぶイスラエル国民は、いったい正常な思考をもっているんですかね?狂ってるんじゃないのか?まあアメリカ人だってブッシュを選びましたけどね。

『拷問』ジャン・アメリー
衝撃だった。ジャン・アメリー氏はアウシュビッツを生き延びたユダヤ人作家。ヤスパースの言う「限界状況」を、まるで銅版に極細の鉄筆で刻むように、もしくは血で書いた、といえばいいんだろうか。この人よく狂わなかったよな、と思ったら、76年に自殺されていました。地獄は死後でなく、ナマの人間の中にあるということなんだろう。

『社会契約論』『人間不平等起源論』J・J・ルソー
「あまりにも有名なのにみんな読まない本」には、たとえば「学問のススメ」とかあるですが、意外に読んでみると超面白いんだよね。で、かの有名なルソーさんですが、マジ面白怖いです。この人はエリート民主主義者であって、大衆の民主主義なんか信じてなかったことがよく判る。革命前夜に生まれたフランスのマキャベリです。


* update 20040321

『患者よ、がんと闘うな』近藤誠(文芸春秋
慶応病院の放射線科の医師であられる近藤先生は、日本ではじめて「抗がん剤治療が効く癌は一割しかないのに、病院の儲けと”神話”のために、患者を無駄に苦しませているだけである。」と発言した医師です。そして「抗がん剤は効かないほうが多いんだという現実を見詰めて、よりよい人生をおくることを考えたほうがよほど人間の尊厳を守る医療になる」との信念から書かれたのがこの著作。その後は医学会からの虐めや偏見(怖)にさらされながら、正直な発言を続けてます。私も実際にお目にかかったですが、大変よく勉強されてて、こりゃー信頼できるなと思いました。(20040310)

『アメリカで乳がんと生きる』松井真知子(朝日新聞社)
最後の上野千鶴子先生と近藤先生の対談のために読んだのですが、松井さんのがん闘病記も凄まじいです。アメリカでジェンダー論をフィールドに教授職についていらした松井さんですので知的レベルも経済レベルも高いですが、アメリカでのがん医療が仔細につづられています。人生の最後をすごす松井さんとパートナーの方との細やかな愛情は涙なしでは読めません。巻末の対談も一読の価値あります。現実は厳しいです。

『リビング・ヒストリー』ヒラリー・ロダム・クリントン
彼女にアメリカ大統領になってもらいたいと思うのは私だけではないはずだ。史上最高の知性と教養を持ったフェミニスト・ファーストレディ、ヒラリー・ロダム・クリントンの人生を彼女自身が語ったもの。政治闘争や細かい法案審議過程や汚職疑惑についてはややつまらなく感じるところもあるが、学生時代やモニカ・ルインスキー事件についての彼女の人生の選択には心からの賞賛と共感を覚える。北京女性会議での彼女の演説は圧巻。N・マンデラ氏の言葉も素晴らしい。「人生の栄光は、倒れないことにではなく、倒れても起き上がることにある。」

『マンキュー経済学』(ミクロ編&マクロ編) グレゴリー・マンキュー
アメリカの経済学部でテキストとして使われており、世界中で翻訳されている。マンキュー教授は現在ブッシュJr政権の経済諮問会議の委員長。バリバリの古典主義経済学者で論理は明快。こんなに面白くわかりやすい経済学のテキストを読んだことがなかった。これで勉強できるアメリカの学生がうらやましいです。各章ごとに実践問題がついており、生徒に教える際にも便利。

『複合不況−ポスト・バブルの処方箋を求めて−』宮崎義一(中公新書)
バブル経済の崩壊の原因分析を徹底的に判りやすくやってくれた本書は、今景気回復の呼び声が高まる中でも一読の価値がある。金融自由化・グローバリゼーションが、実はルール無視・倫理なしのマネーゲームに陥りやすい、という指摘は、南北問題を考える上でも有意義な見解だと思う。面白くてためになる!少なくとも「ミスター・円」こと榊原氏の経済分析(?)本よりよほど読んで考える価値があると思った。・・・つーか、榊原さんて最近どうしたんでしょうかね?予想が全然間違ってることが多いと思うんですが。てゆーかいわゆる無責任なエコノミストになってしまったんでしょうか?そういう点で植草さんが学界に戻るのは大賛成ですね。

『経済のニュースがよく判る本・世界経済編』 細野真宏(小学館)
似たようなスタイルの本に「経済のニュースが面白いほどよく判る本・日本経済編」があり、こちらは中経出版になっています。どういうつながりなのか判りません。が、細野さんのは本当にわかりやすいです。しかも本人数学の予備校教師ですが、経済をめちゃめちゃ勉強して書かれています。とくに「アジア通貨危機」の章は、私はこの人のでやっと理解できたです。経済の初心者から、それをちょっと深く知りたい人にまで適応範囲はめちゃ広。経済の裏口入門として最適です。ただ、これは正門ではないので、すべてを網羅してまじめに経済を勉強したいんだという人には、これを先に遊びで読んでから上記のマンキューさんの本を全部読むといいと思います。

『ヘーゲル・大人のなり方』西研(NHK出版)
私に言わせれば今までの哲学者は絶対にサボっていたんだろうと言いたくなるほど判りやすくて面白く良心的な、西先生のヘーゲル解説書。哲学者・竹田青二さんの友人です。学者肌の先生や東大哲学科は「文章が軟らかすぎる」とかいって評価しないのかもしれないが、読めない(日本語とも思われない)哲学書を書く人に比べて私は数倍人間の役に立っていると思う。哲学入門としても、熱いハートに触れてみたいと言う人にもお薦め。他に西先生の著書として『哲学的思考』(西先生の中では一番難解?)『実存からの冒険』(ニーチェ分析が素晴らしい)。

『河合隼雄著作集』河合隼雄(岩波)
いわずと知れた日本におけるユング心理学の泰斗。私はフロイト理論は日本人にはあわない(少なくとも日本人で女の私には合わない)と思っているときにユングと河合先生の『コンプレックス』『イメージの心理学』『ユング心理学と仏教』などを読み、嵌った(笑)。ただし文化庁長官になっちゃって、道徳教育に噛むようになってから、かなり批判を受けている。(ま、確かにそれもしょうがないなーという気もする。)

『人物アメリカ史』ロデリック・ナッシュ(新潮選書)
20世紀から21世紀の世界を知るにはアメリカを知らねばダメだ、というのが持論なのですが、そのために読んで「当たり」だったアメリカ精神の歴史をたどった本。登場人物はジョン・ウィンスロップ(マサチュセッツ建設者)、フランクリン(政治家)、F・ダグラス(逃亡奴隷)、テクムシ(インディアン)、フォード(自動車会社)、M・L・キング(あまりにも有名)、ボブ・ディラン(ウッドストックの神)、ジェーン・アダムズ(フェミニズムの旗手)などなど、「代表的アメリカ人」を網羅。まさにアメリカの偉人伝です。元気でるよ!

『新しいスクール・カウンセリング』J・ウィンスレイド、G・モンク(金剛出版)
スクール・カウンセラーだけでなく、学校教師や青少年とかかわる大人は読むといい、実践的カウンセリング本。非常に役に立ちます。

『プロジェクト・ホテル』窪山哲雄
「奇跡の再生に賭けた男が創るこだわりのリゾート・ホテル」と副題がついていますが、まあ要約するとそういうこと。金の稼げる人間、仕事のできる人間というのは、人間を知っている人間のことだ、というのがよく判る。マネージメント本をヘタに読むよりよほどこれを読んだほうが勉強になる。ウォルドーフ・アストリア(アメリカ最高のホテル)での修行時代での逸話は、最高級ホテルの威厳は人間的であることから生まれる、ということを教えてくれます。組織のモティベーションを如何に高めるか、いい仕事を生む条件、人心の統括術、失敗を生かす方法、すべて有益です。新入社員や営業サラリーマン、マネージメント業務に携わる人には必読。


『地球温暖化の政治学』竹内敬二
京都議定書が決まるまでの科学者と各国の政治駆け引きを朝日新聞記者が8年がかりで追った。EUと米国の激突がすごい。そして沈没する日本…。

『プーチン、自らを語る』N・ゲヴォルクヤン他。扶桑社
これを読んでプーチンファンになった。ものすごい合理主義者でものすごい愛国者。ロシアの未来。

『黒い雨』井伏鱒二
ベトナム戦争が起きたとき、「文学者として書かねばならぬと思って書いた」作品。

『ベートーベンの生涯』ロマン・ロラン
「ロランほどベートーベンの姿を鮮やかに描きえた人はかつてない。悲痛な運命に耐えた楽聖のなかに、彼は自らの支えを見たのである」つー帯のコピーは上手いとおもった。

『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー
いろいろ読んだけど、これがドストエフスキーの最高傑作だと思う。イワンの「大審問官」は圧巻。ゾシマ長老ラブ。

『ロシア的人間』『イスラーム文化』『マホメット』井筒俊彦
大ファン。この人の語り口は『マホメット』から好きだったですが、昭和28年に掻いたこの本はホントに魂で書いたという感じです。イスラム学から東洋哲学まで、先生の学識はバベルの塔のよう。

『夏の花』原民喜
恥ずかしながらこの年になるまで読んでいませんでした。

『愛、深き淵より』星野富弘
口で絵と詩を描いてらっしゃいますのでご存じの方も多いのでは。私は星野さんのお母さんが一番凄いと思います。

『世界3月号ー女性国際戦犯法廷が裁いたもの』ノーマ・フィールド、高橋哲哉
去年12月に5日間開かれた、「従軍慰安婦裁判」を実現させたメンバー二人の素晴らしい対談。

『夜と霧』V・E・フランクル作
二度と読み直したくはないが…ナチスのホロコーストを生き延びた精神科医の書いた、強制収容所についての実話と調査。

『菊と刀』R・ベネディクト作
第二次大戦後の日本占領にあたって、「日本の効果的支配を可能にするにはまず日本人を知れ」という目的で、ホワイトハウスが文化人類学者ベネディクトに書かせた論文。

『学問のすすめ』福沢諭吉作
超有名なのになぜか読む人が少ない。かくいう私も丸山を読むまで読んだことなかった。

『ヒロシマ・ノート』『沖縄・ノート』大江健三郎作
私がPTSDで言いたいことが全部書いてあって、「なんだ書く必要ないじゃん…」とか思ってしまった。名作。ノーベル「平和」文学賞を受賞する資格があります。

『パリの憂愁』ボードレール作
散文詩を定着させた晩年のボードレールの詩集。明るくて皮肉が効いていて楽しいです。

『溶解病院』サジ家作(同人・漫画・目黒佐次)
これまで読んだ中で一番面白いコメディ。でもほろり。ここの一倉ほど変な一倉はいません。天才。

『言葉の向こうから』吉田可南子作
詩人の散文は気持ちいいです。

『魯迅入門』『魯迅』竹内好作
この人の文章はすごい。日本への魯迅紹介に生涯を捧げた人。

『考えるヒント』小林秀雄作
高校時代から大学へかけての愛読書。彼の言うことを理解したくてドストエフスキーを読んだ。

『The men from U.N.C.L.E』仲尾芳子作(同人・漫画・仲尾芳子)
数年にわたって描き続けたナポレオンとイリヤの“手鎖での脱出”話。イリヤはあいかーらずクールでオヤジでかっこえーです。いつもヘラヘラしてるナポレオンがマジ入って、すげーかっちょいー。

『西行』白州正子作
パラレルのネタ本。和歌をずんずん解釈していくだけで、ストーリーとかあるような無いようなの批評文みたいな本です。

『恋文物語』『恋愛読本』池内紀作
この方の文章はずごくユーモアがあって好き。でも特にこの、古今東西の恋文を集めてきたのはセンスいいです。「鉄血宰相」ビスマルクの恋文、魯迅の恋文、はたまた連続殺人犯の恋文・・と、さまざまです。

『兵士アレッサンドロ・ジュリアーニ』マーク・ヘルプリン作 
 ハードカバーで上下巻ですが、話はめちゃめちゃ面白いです。主人公が正統派カッコイイジジイで、彼が昔を思い出して第二次大戦とか亡き妻との恋話とかを通りすがりの少年との旅のなかで語るつー展開。映画化してほしい。

『大尉の娘』プーシキン作
ロシア革命期に生きた爺が、孫に語るドラマチックな革命話。やっぱり美人の妻(すでに婆さんだが)との惚気がぽろぽろ入るのが可愛い

『野草』、『魯迅評論集』(岩波)魯迅作
 もー好きですー。この人の考え方、生き方が全部好き。『魯迅「野草」全釈』っつー片山智行さんの本が平凡社東洋文庫から出ていて。これも素晴らしい魯迅解説です。

『イェルサレムのアイヒマン〜悪の陳腐さについて〜』『暴力について』ハンナ・アーレント作
ホロコーストの責任を問われたアイヒマン裁判とは一体どんな意味を持っているのか、ホロコーストは如何なる方法で裁くべきか、なぜアイヒマンは処刑されるべきか、分かり易く説明。

『レディ・ジョーカー』高村薫作
組織と個人、社会の中で生きることの逃れられない苦しさをぐりぐりと粘っこく書き上げていきます。その下にあるのはヘーゲル的な愛なんだなー。それがラストの明るさに繋がってるのよ。まあ幸せになったのは合田と加納だけなんじゃないかという気も、する。

『オーウェル政治評論集』ジョージ・オーウェル作
 『動物農場』『カタロニア賛歌』で有名な彼。英国の魯迅。彼のディケンズ論には、胸をえぐられました。おみそれしました。

『職業としての政治』『職業としての教育』マックス・ウェーバー作
 統一で揺れに揺れていた1860年頃のベルリンで若者達を熱狂させた演説。

『自由と規律』池田潔作
 パブリックスクールの美点と欠点をありのままに綴った作品。英国人魂がよくわかります。規律のない自由の欠点をはっきり示してくれます。最近復刻版が出たみたいです。岩波新書。

『忠誠と反逆』『現代政治の思想と行動』丸山真男作
日本の封建制度のなかに潜む「忠誠」と「反逆」という一見正反対の表象が、実は根はおなじ処から派生してきた双子の兄弟だということを見事に解説した作品集。

『わしらは怪しい探検隊』椎名誠作
マジで笑えます。すごいっす。オヤジのパワーにひれ伏しちゃいます。思わずおいらも炎のダンスを一緒に踊りたいぜ!という気分になります。

『海の都の物語』塩野七生作
ベネチア行く前に読むと旅行が10倍楽しめます。ベネチアがなぜ1000年間の繁栄を築くことが出来たかを、面白く興味深く語ってくれます。上巻がいい。

『遠い太鼓』村上春樹作
これもイタリア話。イタリアの郵便事情・泥棒事情はイタリアへ旅行に行く予定のある方は絶対に読んでおいた方がいいです。私の友人もメトロで財布を摺られました。

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20001102

 

 

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